激変する世界に向けて1200年生き延びてきたKYOTOから生き延びる智慧とヒントを発信

白さに漂う春

白さに漂う春

 ●かつては伏見の特産  春たけなわのころ、独活(うど)の収穫に立ち会おうと宇治川に架(か)かる伏見の観月橋に降り立つと、そのたもとに「淀川 從是(これより)下至海」と刻まれた標(しる)べ石がありました。琵琶湖から流れ出る唯一の河川である瀬 …

みょうがに罪はないのに

みょうがに罪はないのに

●物忘れ  落ち目の旅籠(はたご)「みょうが屋」の主は、泊り客が財布や荷物を置き忘れて旅立つようたくらみ、みょうが尽くしでもてなします。しかし主の方が肝心の旅籠代をもらい忘れてしまうという古典落語があります。  これは釈迦の弟子であった周梨 …

春韮の風味の濃かさ

春韮の風味の濃かさ

●性よき菜  寺院の門前によく「不許葷酒入山門(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)」と刻まれた石柱を見かけます。仏道修行の妨げになるとして口に辛く鼻に臭(にお)いのある食物を遠ざけているのです。  山口誓子が吟じた「韮(にら)の花女人禁ぜし …

菜の花色の京の春

菜の花色の京の春

●菜の花尽くし  春たけなわの景色に菜の花の黄色い彩りは一幅の絵でした。「菜の花畠に入日薄れ 見渡す山の端 霞(かすみ)深し……」という唱歌を自然に口ずさんでしまいます。    「菜の花や月は東に日は西に」という蕪村の句は烏丸通仏光寺西入ル …

いたいけな早春の菜

いたいけな早春の菜

●手のひらにスッポリ  春告げ鳥とは鶯(うぐいす)のことですが、厳寒の冬を耐えしのんで明るい陽光と温かさを待ち望むのは動物も植物も生きとし生けるものがみな等しく抱く思いです。    花ならば百花の魁(さきがけ)の梅。芭蕉文集の「常盤屋句合( …

人が丹精こめてこそ

人が丹精こめてこそ

●旬の竹  桜前線の便りとともに春の味覚である朝掘りの筍(たけのこ)が並び始めます。春とは名のみの立春を過ぎた頃には探り掘りが行われ、3月中旬から早掘りが始まります。下旬になると本格的に掘り取りが始まり、4月下旬に最盛期を迎え、収穫は5月下 …

玉菜は素直な呼称

玉菜は素直な呼称

●野菜の王  野菜の名称にも故事来歴やいわく因縁がつきものです。新聞の用字用語では植物名はカタカナで表記されています。   江戸時代の『大和本草』が記す「紅夷菘(おらんだな)」、明治初期の『舶来穀菜要覧』は「甘藍」と表記して「はぼたん」と振 …