1995(平成7年)1月17日 午前5時46分。阪神淡路大震災が起こる。
当時、大阪市内に住んでいた。震災の起こる数分前、カラスの鳴き声と飛び立つ羽音で目を覚ました。直感で感じたのは野生の生き物が「逃げていく」感じ。これまでこんなことでは起きなかったし、起きてもまた眠りにつくものだが。
だが、この時は違った。何かに不安を駆り立てられ、悪い予感がする。カーテンを開けて、外の様子を見るが何も変化なし。時計を見ても、仕事に起きるには早すぎるし、かといって目と神経は冴えてきてとても眠れそうにない。 「どうしようか?」そんなことを考えているうちに、これまで感じたことのない重低音の地鳴りと共に大地の底から揺さぶられ始めた。