ノーマン・カズンズの『笑いと治癒力』、日本では伊丹仁朗医師などが先駆者で、筑波大学名誉教授村上和雄先生も注目されているように、笑いは医学的に優れた治癒効果を持っていることは知られています。ならば、京都を訪れる京都症候群の人々も、それを受ける経済的に重症の京都も笑って治癒できるものなら、笑い飛ばしてはいかがでしょうか?
以下、京都についての川柳もどきものを幾つか。笑えれば相当に京都通。蛇足ながら何故おかしいか解説をします。京都特有のことを取り上げることが多いからです。
では、笑って笑って。
不景気で 大歓迎の 一見さん
かつては一見さんお断りは祇園界隈では当たり前で、今もその伝統を守っているお店もあるが、それどころでない不況の嵐に、一見さんお断りの看板をそっと外す女将さん。
雑誌社の 倒産救う 京特集
不景気の中でも出版業界の不況は、本離れもあって、目を覆いたいような惨状。その危機を救うのは京都特集。本屋さんに平積みの京都特集の雑誌が多いのを見れば、納得。
野宮の 祈りの声も チャイニーズ
日中関係もこじれてこじれて。しかし大挙して訪れる中国観光客は変わらず。野宮という嵯峨野の由緒ある神社も、お参りせずに本殿を背に写真を撮る中国人ばかり。
伝統の 京の料理に フォアグラか
フランス料理との融合とか、フランス語で新しい料理を言うヌーベル・クュイジーヌとか言いながら、伝統的な日本料理にフォアグラですか。ガチョウの強制給餌を伴うため、動物虐待に当たるとして生産や販売を禁止する動きが広がっているというのに。
七月は キュウリナマスも 短冊に
7月は言わずと知れた祇園祭。祇園祭は八坂神社の祭礼だから、7月の間、関係者や市民はキュウリ断ちをする。それは八坂神社の神紋と輪切りにしたキュウリの切り口の模様が似ていることからで、八坂神社の祭礼である祇園祭の間に胡瓜を食べることは、「恐れ多い」「もったいない」と考えたからだとか。しかし、旬のキュウリを食べたい人は、輪切りにしないで短冊に切る。
三十年 たって後悔 縁結び
解説不要。縁結びの神社仏閣多数。その結ばれた縁に後悔しても、神社仏閣は一切責任を負わない。
地下鉄は 東西線と トリマル線
カラスマ線は、烏と丸でカラスマ線だが、なぜ烏と丸でカラスマなのかは判然としない。地形から来たとか、烏丸家があったからだとか、中に朝鮮語が入っているとか、アイヌ語説まで、諸説紛々。読み方の難しい京都の地名の一つで、知らなかったらと言って恥じることでもない。
国際化 それより先に 国内化
東京から京都に住んで10年以上たつ高名な大学教授が、京都の国際化というシンポジウムの基調講演で、京都は国際化する前に、国内化しなければならない、と言っていたが、当時も今も、京都の人は排他的なのかどうか?
頼みごと 考えとくわで 断られ
「考えとくわ」と言う言い方が、断りだということを知らない営業マンや各種の外交員には、これは時間を置いて、もう一度尋ねるべきだと思ってしまうが、これは京都人特有の断り方。
カップルが いちゃつき歩く 手つなぐ道(哲学の道)
ダジャレどす。とは言え、あの道はその名の通り、哲学者西田幾多郎先生が思索しながら散策したと言う道。手をつなぎながらでも、人生について考えて!
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[文: miya]