激変する世界に向けて1200年生き延びてきたKYOTOから生き延びる智慧とヒントを発信

以下、京都についての川柳もどきものを幾つか。

笑えれば相当に京都通。
蛇足ながら何故おかしいか解説をします。
京都特有のことを取り上げることが多いからです。

では、笑って笑って。

今さら言うまでもなく、秋の京都、紅葉の季節は京都が最も大変な季節。松尾から嵐山に繋がる罧原堤(ふしわらづつみ)と言う桂川の土手の道路は、ほぼ駐車場。駐車場なら出入りする車があるだろうが、一時間でも全く動かないのは例年の秋の交通事情。それでもあきらめないマイカーの皆さんにとんでもない話を。京都駅を9時に出発した嵐山紅葉鑑賞ツアーが、到着したのが午後5時。5時以降の運輸省の許可がないので、降車出来ず、そのままユーターンしたとか。まことしやかに伝わるこの伝説。あながち嘘でもない、毎年、微塵も動かない罧原堤を見てそう思う。

今や京都の冬の使者、冬の風物詩となったユリカモメ。毎日琵琶湖大橋近辺からご通勤ということで、大変だなぁなんて思うのは飛べない人間だから。京都のユリカモメは、ロシアのカムチャッカ州で夏場に繁殖する個体群が飛来していることが分かっているそうだが、他にも樺太や中国大陸からやってくる。もちろんパスポートもヴィザも持っていない。当たり前だ、と笑う人は、人間がユリカモメにも劣る生物だって自覚するべきかも。

大店や料亭の壁や塀の裾には、割った竹や細い木を円弧状に曲げたものなどを並べるものがある。犬やらいと言い、京の町並みに似合うと言うか、風情を醸している。それが置かれているのは、その名の通り犬の放尿を防ぐものだと言われている。また泥棒よけにもなるからとも言われている。だが、どうもそうでないらしく、壁一つ向こうの室内で話す声を外から聞かせないためだという説もある。ひそかに人の隠し事を嗅ぎつけて告げるものも「犬」といったが、その意味での「犬矢来」なら納得だが、犬さんご免。

京のご利益寺社は数知れず。縁結びに始まり、恋愛成就、夫婦和合、安産、子宝、子育て、そして便利なことに浮気封じからラブレター上達、悪縁切りまでと揃っている。そして健康祈願にはじまりゼンソク封じ、頭痛、腰痛、歯痛、おでき、ガン、足、婦人病、夜泣き封じ、おねしょ治しまで総合病院並であり、もちろんぼけ封じ、延命長寿祈願は高齢化社会で大繁盛している。さらに美人祈願から美容、エステ、毛髪への願いまである。学徳成就、音楽芸能上達から必勝祈願、スポーツ上達、球技上達、華道上達、書道上達、裁縫上達、果ては競馬に勝つための祈願まで。さらには落し物、迷子探し、人探し、それに一方で酒の神様がいらして一方で禁酒祈願。もちろん立身出世、商売繁盛から借金回収、金運向上のご利益まで、ありとあらゆる欲望が叶うと歌う。百八煩悩より多いかも。

「清水の舞台から飛び下りるよう」とは、非常な決意をして物事をするときの気持ちの形容を言う。形容とは例えに過ぎないはずだが、実際に清水の舞台から飛び降りた連中がいる。連中と行ったのは、一人や二人でなく、清水寺の記録では、1694年から1864年までの170年間に234人。生存率は85.4%と高いが、それは20歳代までが73%で、60歳以上の飛び下りは全員死亡とか。なるほど昔は大変だったのだなぁ、なんて嘆息もしていられない。1995年80歳代の男性が死亡、2006年30歳から40歳代とみられる男性が死亡。2009年には18歳の大学生が自殺を図ったが一命を取り留めたとか。生き延びて、生きさせていただいて、大進化を遂げれば、観音様も御悦びに違いないが。

京都の弔事に使う金封には、全国的な常識とされる黒白は使わない。一つには、御所、すなわち宮中があったからで、宮中に献上する品物には、全国的に言う紅が黒にしか見えないような色だった。だから宮中の献上品の水引と間違うような水引では恐れ多いと言うので、黄白になったと言われている。また、濃い緑の水引がある。
皇室の祝い事にのみ使われるもので、特殊な赤の染色を行い、その赤が乾燥すると深い緑色に見える。だから、黒と間違うことがあるから、黄白になったとも言われる。京都で知ったかぶりは怖い怖い。

はばかりとは「さしさわりがあること」あるいは「便所」を言う。だから京都風にさんづけして「はばかりさん」と言えば、丁寧に便所を言うのではなくて、「御苦労さん」で、お礼、ねぎらいの言葉になる。この言葉、目上の人には使わず、どちらかと言えば、目下の者に使うそうな。読んでいただいて「おおきに、はばかりさん」とは言えません。読者と言えば「神様」ですから・・・

「賀茂」と「鴨」。「上賀茂神社」に「下鴨神社」、「賀茂川」に「鴨川」。まず神社の方は、あくまで通称で、正式名称は、上賀茂神社は、「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ」、下鴨神社は、「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」。川の方は、出町柳を探してもらって、地図の東側の川が高野川、西側の川が賀茂川、合流地点より南側が鴨川。つまり、鴨川は、出町柳で高野川と賀茂川が合流してできた川のことで、現在は起点よりすべて鴨川の表記に統一されている。古代山城国に移り住んだ鴨(賀茂)族から来ている。上賀茂神社は、賀茂族の氏神である。

おけらとは俗に無一文のことで、漢字で書けば、螻蛣(おけら)の字をあてる。ケラはバッタ目のコオロギに似た昆虫。ではどうして無一文のことをオケラと言うと言えば、ケラを前から見ると、万歳をしているように見えるので、一文無しでお手上げの状態をケラに見立てたという説があり、もうひとつは、オケラという植物のことで、この植物は球根の皮を剥いで薬とするため、身ぐるみ剥がれる状態を見立てたという説がある。だから馬鹿の知恵でなくて、つながった。万歳!万歳!おけら火は、言わずと知れた元旦、早朝から行われる八坂神社の神事で、白朮祭(おけらまつり)と云う。社前でおけらの根を入れて篝火(かがりび)を焚き、その火をつけた火縄をそれぞれ家に持ち帰り、その火でかまどに火を付け、煮炊きすると一年間、無病息災が約束されるとの言い伝えによるものだ。そのおけら火が消えない様ぐるぐる回しながら歩く初詣帰りの人の流れが京都の元旦、早朝の風物光景となっている。もちろん無一文を言うオケラという植物と一緒。

御雑煮ほど全国的な統一がないものも珍しい。まさに地方地方で千差万別。京都は、白味噌仕立てで、具材には、丸餅、雑煮大根、金時人参、頭芋(かしらいも)などが用いられる。各地の雑煮を見ると、鮭やイクラ、ブリ、ハマグリ、カキ、鶏肉、ホシエビなどが入るが、京都はお野菜のみ。海が遠かったせいもあるだろうし、貧乏だったせいもあるのだろうが、本当は、神仏にお供えされることもあり、生臭くなる鰹節や煮干しなどは、一切使われない。出汁でさえ昆布のみで取られる。まさに雑煮の神髄なのだ。その証拠にお箸は柳箸。それは、元々、正月には「歳神様」という神様が、遠い山の彼方からお見えになっており、その神様と共に雑煮やおせちを食すると考えられていたからだ。つまり、お箸の一方を人間が使い、もう一方は神様が使われ、神様と共に頂戴するのである。でも生臭くても美味しそう。

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[文: miya]

京をネタに笑う『京ネタ川柳』その5」に1件のコメント

  1. 桜井美智子 より:

    いつもHP楽しみに拝見しております。
    特に京ネタ川柳は面白く説明文に知らなかった事も多々あり
    なるほど!と目から鱗の感があります。
    全て貴方様の作品なのでしょうか?凄い博識、尊敬です。
    これからも楽しませて下さい。

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