すみません。姉のだらし無き格好ですが、ここまで無防備で寝るなんて、私にはまだまだ真似できません。主人が京都市動物園にもいる「ワオキツネザル」の日向ぼっこのスタイルだと笑っています。ワオキツネザルは、マダガスカル島だけにいる原始的な猿だそうです。どんな日向ぼっこをするかは、飼育員の方にでもお聞きください。と言うのも、詳細に書くのは気が引けるからで、「気温の低いときには両手を広げて日光浴し、体をあたためます」と解説にあるような格好ですとだけ言っておきます。主人は何でも京都市動物園で取材する「朝の動物園」とか言う番組をさせていただいた時に、実際に見たそうで、今でもその可愛い姿を忘れられないと言っています。
しかし、この格好は姉と言いましたからお分かりのように女性ですから、破廉恥といいますか、無防備と言いますか、皆さんはどう思われるか知りませんが、私は素晴らしいことだと思います。かのジッドゥ・クリシュナムルティが、「百合の花が美しいのは無防備だから」と言ったように、この破廉恥ながら可愛いいと思っていただけるのは、実に無防備だからかもしれません。ワオキツネザルの日向ぼっこも、マダガスカルには天敵と言えるような大型の肉食獣が少なかったから、あのような無防備な日向ぼっこをするのかもしれません。
姉のこの姿を見て、主人がため息をついていました。たぶん、こうした無防備さに比べて、人間がいかに防備をしないと生きていけないか、に思いをはせたのでしょう。最も信頼できるはずの親子ですら虐待のニュースが絶えませんから、無防備なんて考えられないのでしょうか。悲しく残念なことではあります。
「無防備」と言うことの重大さを考えているのか、この姉の写真を良く見えるところにピンナップした主人ですが、いずれまたその深いか浅いか知りませんが、その奥義を披露させていただくのでしょう。
[文・写真:miya]